先週土曜日(1/21),立命館大学いばらきキャンパス内にあるフューチャープラザ1階カンファレンス・ホールにて,北海道の上野ファームから上野砂由紀さんが来られセミナーが行われた.
第26回 ガーデンクラブ「トレフル」主催 「北海道ガーデン ~笑顔咲く庭づくり~」
というお題.トレフルというガーデンクラブは大学と地域住民とが一体になってキャンパス内に植物を植えたり,イベントを開催したりしているらしい.
定員120人のところ当日は満席.スゴイ集客率!上野さんの人気がうかがえる.
講演中は写真撮影NGとのことで画像は無し.講演が始まる前に撮った画像を.
セミナー開始早々,「上野ファームに来られた事のある方はどれくらいおられますか?」という問いにあちこちで手が上がり,1/3くらいの人が上野ファームを体験していることが分かった.
北海道旭川にある上野ファームの風景がスクリーンに映し出され,その説明が続く.敷地は約4000坪,それを3人のガーデナーで維持しているというからスゴイ.周囲には田畑が拡がる.風景画像・植物画像はたいがいYoutubeで見たのと同じ画像が使われていた.(^^;(←予習の成果有り)
https://www.youtube.com/watch?v=xo3vYMamwv8
冬は最高気温も氷点下になるので氷のハーバリウムなんぞが出来る.ドライフラワーを平たい皿に入れ水を入れて置いておくと凍るので,それが氷のオブジェとなって美しい.1ヶ月は充分そのままの状態と保つのでずっと飾っておけるとか.ここで過去に記録された最低気温マイナス41度はいまだ破られていない日本記録らしい.想像を絶する気温.(・_・;) ちなみにセミナー3日前の気温は最低マイナス25度,最高マイナス11度だったとか.(~_~;)
冬はとんでもなく寒いが夏は暑い.よく観光客に「なんでこんなに暑いんだ?」と文句を言われるそうな.(^^;そりゃ35度なんて気温になれば本州の暑さと変わらない.冬はマイナス30度になり夏は35度になり,温度差65度の過酷な地.旭川は盆地なのでこうなるらしい.
3月中旬にスノドが出てきてシーズン開始,この時の積雪は2~3cm.雪解け後はいっせいに植物たちが目覚め,スイセン・チューリップの球根植物からスタートしバラが咲き,夏の植物へと移行,お盆過ぎたら秋となり(この辺は蓼科と似てるかも)シュウメイギク,アスターなどが咲き9月中旬から紅葉が始まる.そしてガーデンのオープンは10月中旬で終了,ハロウィンの頃には初雪が降る.秋バラは10月になっても咲いているが雪が降ったら強制終了.
晩秋から冬,雪が降るまでの間が庭仕事の正念場.分刻みのスケジュールで刈り取り,整枝,球根埋めなど果てしない作業が続く.と,こんな感じで上野ファームの一年が過ぎて行く.
四季の様子を見た後はいよいよ本題の「北海道ガーデン」の話.
ガーデン・デザインで気を配るのは「植物の花期を知り開花期の想像をしてデザインすること」,宿根草の開花期は約2週間,いかにそれを合わせるか,そして花が途切れないよう別の植物へとバトンタッチさせていくかが腕の見せ所.色合わせより開花期合わせに気を遣う.
そして草丈を知り,どこに何を植えるか考える.小さい苗でも成長したらどこまで大きくなるか3次元的に想像して植え付ける.花色だけでなく花の形も考えて(直線的とか丸いとか)組み合わせる.それに花の終わった後のシード・ヘッドも面白い.植物の姿を見て「そこにアートを感じるか?」がポイント.
耐寒性に関しては「植えて見ないと分からない」.園芸書で「耐寒性強」と書いてあってもダメになったもの数多し,実際に栽培してみないと分からない事が多く,園芸書はあまり見ないとのこと.
イングリッシュガーデンに憧れて真似したけれど,やはり気候も環境も違うので本物とは異なる.道外のお客さんに「ここの植物はなんでこんなに大きく育つの?」と言われハタと気づいたのは,北海道ならではの冷涼気候のおかげで他の場所とは異なる育ち方をするんだと知る.そこでこれを「イングリッシュガーデン」ならぬ「北海道ガーデン」と呼ぶことに.そして他の周辺観光ガーデンと組んで「北海道ガーデン街道」を立ち上げ活動中とのこと.
花は人の心を元気にし子供の心を育てる.育てることによる学びと楽しみ,植物は人を笑顔にする.
ということで若干の質問タイムも合わせて1時間半のセミナーが終了.
セミナー参加の前にAmazonで上野さんの本を買っていたので持参したら会場で本が販売されていた.大学の生協が協力し定価の200円引き.(~_~;) 現地で買えば良かったな.(^^;
ともあれサインしてもらう長い列が出来たが首尾良く数人目でサインしてもらってラッキー♪ それにしてもこんな凝ったサインを一人ずつにしていたら大変だなぁ~と思ってしまった.(^^;
<おまけ>会場へ行く道中,「うわ!」と思ったのがこの風景.この寒いのにまだ皇帝ダリアが咲いている!(・_・;) ちょっと信じられなかった.きっと今週の寒波で終了だろうけど.
コメント
おはようございます!
だいぶ前にドラマで使われて以来憧れのガーデン!今もインスタで写真や動画みて毎回ふぉわーってなります。やはり並々ならぬ困難の中維持されてるんですね。気温差65℃にはクラクラします。
ガーデンデザインって3次元どころか季節の移ろいという要素も加わる4次元の世界ですよね。ほんとに尊敬〜!
いつか実物見に行きたいなぁ。
ぺんぎんびたきさん,こんにちは(^^)
上野さん,過酷な地でよくまぁ頑張ってるなぁと思います.雪に閉ざされる季節以外はずっと外仕事でしょうから体力勝負!「芝生の部分は毎週自分で芝刈りしてますので見かけたら声をかけて下さい」なんておっしゃってましたよ.想像を絶する気温差と4次元ワールドで知力・体力ともに兼ね備えたガーデナーさん,ほんと尊敬です.
この上野さんの本,巻末にガーデン入園券が付いてました.2029年9月末まで有効ですって.(^^)
DORAさん ぺんぎんさん (✿✪‿✪。)ノコンチャ♡
ワイ 砂由紀さん~ お顔観るんはウン年振りやろか… お母さんになられたんやな~(^^)
はいです、旭川は内陸盆地でね、寒暖差が凄、ついでに雪量も凄い(我地比較)
彼女の試行錯誤は手に取るよーに… イングリの気配も無い頃から手掛けてたんで
まぁ ワラシはコレクター系に走ってもーたんで「ショーガーデン」としての完成度に拍手です(#^.^#)
「北海道ガーデン」♪ ウンウン そーなんす~ 広いんでね、環境違えば植層も違う
街道のそれぞれのガーデンも良いし、移動時の自然も愉しですー ご希望の季節選んでご来道を(^^)
マニアックな流氷期もお薦めしたいですが~ 花は皆無… 全てが白、天候次第では命に関わるんでどーしたものか(-_-;)
ミトンさん,こんにちは(^^)
そうそう,砂由紀さんは今ではお母さん.子供たちもいろいろお手伝いしているみたいです.隣地を手に入れてからガーデン作りに拍車がかかったようですね.所変われば植物変わる,北海道へ行ったなら広大な自然,スケールの大きさに圧倒されることでしょう.ただ,流氷期はさすがに…パス.(^^;